ダイナミクスと制御研究会

動的システム制御学領域では, 学内外の活発な研究者をお招きして研究会を開催いたします, 制御理論, ロボティクス, レスキュー工学から生物学まで, 広くダイナミクスと制御に関わるテーマを扱います. 関心をお持ちの皆様のご参加をお待ちしております. 

第32回ダイナミクスと制御研究会

日時:2017年2月3日(金)10時30分~12時00分
場所:M1棟-313講義室
講師:青沼仁志先生(北海道大学 電子科学研究所)
講演題目:無脊椎動物の素早い運動と体の仕組み
概要:食う食われるの関係にある自然界では,動物は捕食者から逃れるために素早い動きを進化させましたが,同時に捕食者も素早く逃げる獲物を捕獲するために素早い動きを進化させました.小さな体の節足動物は,身体を構成する骨格や筋肉,そしてそれらを動かす指令塔である神経系を含め,限られた資源やエネルギーしか利用できない中で,筋肉の収縮速度を上回る素早い運動を実現するものがいます.バッタのジャンプ,ヤゴの捕食行動,そしてある種のアリのの捕食行動などがその例です.彼らは,神経や筋肉の働きに加え,骨格の構造をうまく利用した運動を進化させることで超高速運動を実現しています.このような動物が進化させたユニークな運動の仕組みから,この世の中に有り得る設計や制御を見つけてみましょう.

第31回ダイナミクスと制御研究会

日時:2017年1月27日(金)10時30分~12時00分
場所:M1棟-313講義室
講師:小林亮先生(広島大学大学院理学研究科数理分子生命理学専攻)
講演題目:題目:単細胞が教えてくれること
概要:真正粘菌という動物とも植物ともつかぬ、けったいな生き物がいます。巨大なアメーバ状の単細胞生物なのですが、なんとこの生物には迷路を解く能力があるのです。さらには、ネットワークを設計する能力も。これって、知性!? そもそも、脳も神経も持たない彼らは、どうやってこんな芸当をやってのけるのでしょう。キーワードは、自律分散システムです。自律分散システムとは、全体を統合する中枢なしに、自律的に働く要素の相互作用で、うまく機能するシステムのことです。粘菌は、何億年もの年月を生き延びてきた、究極の自律分散システムです。そんな生き物として大先輩の彼らから、いろんなことを教わってみましょう。

第30回ダイナミクスと制御研究会

日時:2017年1月20日(金)10時30分~12時00分
場所:M1棟-313講義室
講師:石黒章夫先生(東北大学電気通信研究所)
講演題目:動物の生き生きとした振る舞いに内在する制御原理を探る
概要:動物は,身体に有する膨大な自由度を巧みに操りながら,予測不能的に変動する実世界環境にうまく適応しています.このからくりが理解できれば,生物学的にはもちろんのこと,ロボット工学に対しても大いに資することが期待できます.しかしながら,生物制御のからくりを抽出(数理モデリング)する過程では,さまざまな恣意性が入る可能性が否めません.その結果,当該現象をうまく説明できうる「スッキリと本質を掴んだ」数理モデルを構築することは一般に困難を極めるのが現状です.本講義ではまず,四脚動物の脚間協調現象に内在する自律分散制御のからくりの抽出に関するわれわれの事例研究を紹介したいと思います.正直に言いますと,この事例研究はモデリングがたま
たまうまくいき,われわれ自身も当初は想像できなかったようなラッキーな結果がぞろぞろと出つつある研究です.それゆえに,この事例研究には学ぶべきことがたくさん詰まっているはずです.そこで本講義の後半では,この事例研究の成果から得られた,動物の適応的運動機能に内在する制御原理に関するわれわれの新しい仮説を紹介し,さまざまなロコモーション様式の背後にある制御則の設計を試みたいと思います.

第29回ダイナミクスと制御研究会

日時:2017年1月6日(金)10時30分~12時00分
場所:M1棟-313講義室
講師:南裕樹先生(奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科)
講演題目:ノイズシェーピング量子化:アクチュエータの限界を超える制御技術
概要:これまで整備されてきた多くの制御系設計法においては,制御系に含まれる信号が「連続値」であることを仮定している.しかしその一方で,現実の世界では,不連続に動作するアクチュエータの利用によって,信号が「離散値」に制限される場合がある.たとえば,油圧・空気圧制御システムに用いられる電磁弁や温度制御システムのサーモスタットは,ON/OFFのような離散値で駆動する.そのような離散値信号拘束が課せられた制御系の設計において,連続値信号と離散値信号のギャップ(量子化ノイズ)を適切に整形(シェーピング)する技術が重要な役割を果たす.本講義では,まず,従来の制御系設計法の基礎について述べたあと,離散値信号拘束がある場合には,従来の方法での制御系設計が難しいことを説明する.つぎに,離散値制御系を設計する際に役に立つ、制御のためのノイズシェーピング量子化技術「最適動的量子化器」を紹介する.

第28回ダイナミクスと制御研究会

日時:2016年9月29日(木)10時30分~12時00分
場所:M4棟1F 101室
講師:望山洋先生(筑波大学・准教授)
講演題目:ソフトロボットの機構と力学–弾性体の飛び移り座屈を利用した瞬発力発生機構の場合–
概要:弾性体を撓ませて両端にトルクを加えることにより,急激な変形が生じることがある.飛び移り座屈と呼ばれるこの現象が起こる際に,急激な変形に伴う放出エネルギをうまく仕事におきかえることで,この柔軟機構は,極めてシンプルな瞬発力発生装置として機能し,例えば,跳躍ロボットなどに利用することができる.本講演では,ソフトロボットの一例として,弾性体の飛び移り座屈を利用した瞬発力発生機構を紹介するとともに,その力学的な取り扱いについても解説する.

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